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第八回白瀧杯女流かるた高校選手権大会の配信をしました

2022.7.3 白瀧呉服店にて競技かるたの大会、第八回白瀧杯女流かるた高校選手権大会の模様を配信しました。
ボードゲームを主な被写体としているコマラボch において、「競技かるた」は全く別のジャンルの仕事となります。とはいえ、共通する点も多く、今までの経験を活かしながら映像作りを行いました。
東京都内でありながら広い大会会場と完全に隔離した場所での解説部屋を用意できるというのは、競技かるたに限らず、大変魅力的な場所でしょう。
将棋では女流棋戦の白瀧あゆみ杯も行われますし、その他、白瀧文化祭として様々な文化行事が行われています。この素晴らしい活動を伝えるのは私たちとしても喜ばしい仕事です。

さて、現実的にはいくつかの問題があります。

  1. 大会会場と解説室の距離が長い
    直線距離で 25m です。
    大会会場2台を解説室に映像ケーブルを伸ばし、解説室1台のカメラも加えてスイッチングしなければなりません。
    – 30m,40mの2つのSDIケーブルを用意した上に、10m のHDMIを使いました。長いケーブルというのは何かとトラブルを生みがちです。外気温、利用による熱、踏みつけ、曲がり、などケーブルに対する様々なプレッシャーがありノイズとなることがあります。今回は横カメラにノイズがチラチラと乗ってしまいました。SDI/HDMI ケーブル、SDI-HDM 変換、カメラ、スイッチャー、電源のどれかが原因ですが、残念ながら原因を探る時間はありませんでした。
    – 解説室から選手を映す横からのカメラに対して指示を出したい、という要求に対してどのようにするか。
    インカムのような無線を使った方法はたぶん無理です。しかも持ってない。そのため、Zoomを使いました。上手く稼働している時は良いのですが、次の項にも書きますがインターネットの問題があります。
  2. 白瀧呉服店は下赤塚というエリアにあります。
    各携帯電話会社の電波地図を見ると 5G には対応していません。また実地でも 4G/LTE の電波が MAX で来る場所は限られています。なかなかシビアです。
    電波が弱いということは、回線許容量も少ないということでもあり、少しでもユーザーが増えるとたちまち回線が細くなるということでもあります。
    Zoom (大会会場と解説室の連携のための通信) はそれほどパケットは使わないものの、回線が途切れてしまうことが何度か発生しました。
    Zoomおよびサブチャンネルには WiMax を使っていましたが、例のKDDI通信不具合の影響なのかは分かりませんが、計測すると速度が出ない・不安定でした。なお、本放送は LiveU Solo (4回線) を使うことで完全安定稼働を実現しました。もしかしたら Docomo/Docomo/SfB/Au の4回線のうち Au は稼働していなかったかもしれませんが、案手稼働していたのでステータスは確認しませんでした。
  3. 機材が多い
    カメラは3台(+サブチャンネル1台)と多くはないものの、今回はケーブル、マイク、照明など周辺の機材が多く過去最大の積載量となったように思います。
    機材が多いというのは下準備、運搬、撤収に時間が掛かります。
    前日1時間設営、当日は7:30入り、撤収完了は19:00 、過酷な労働環境でした。
  4. 欲しい音声
    競技かるたで重要なのは読手による札の読み上げである。
    大きな声で発生するとはいえ、なるべくクリアに拾いたい。そして、その音声を放送に乗せたいし、解説室でもしっかり聞きたい。
    音声のプロではないので手持ちの機材は Wireless Go 2 のみ。ピンマイク形式にして胸元につけてもらうのが一番クリアな音声であるものの、付け外し動作が入るのは何かの問題を生じる可能性を与えることになるので、今回はマイクホルダーに装着してテーブルの上に置く方法を取った。
  5. そもそも競技かるたを知らない
    私個人は、陸上部、理工、米国企業エンジニアという道を辿っているので、文系・古文は全く関心が無い分野ですw
    それでも今回のような形で交わることがあるというのは日本の面白いところからもしれません。
    良く分からないけど、なんかすごいね。という視聴者もいたと思うので、それで良いのだろうと思います。[構成]

その他にもこまごまとした課題は多くあったのですが、無料配信ということでご容赦いただければと思います。
なお、撮影対象の試合などは全国かるた協会の方で決めています。中にはあまり映りたくないという選手がいたのかもしれません。視聴者としては全ての試合の内容と勝敗が気になるとは思いますが、色々と事情があるということも察していただければと思います。

来年も開催されるのか?
「私の方から開催を止めるという判断をすることはありません」by 白瀧呉服店
なので全国かるた協会の方々の判断次第ということになります。
配信はプロの他社が入り込まなければ、当方が担当することになると思います。

 

(久保田)